2024年春ドラマとして放送されていた、大人気コミックス初の実写化作品「からかい上手の高木さん」。
放送枠が僅か30分、話数も全部で8話とかなり小規模な実写化作品でしたが原作の魅力とドラマ版オリジナルの展開を上手く融合させ、非常に高い評価を得た作品でした。
ドラマは中学3年生の夏、高木さんのパリへの引っ越しを機に2人が離れ離れになる場面で完結しています。
そしてドラマの放送終了から10日後の5月31日、離れ離れになった2人が10年後に再会する映画が全国の劇場で上映開始されました。
映画版ではどのような物語が描かれているのでしょうか。
そこで今回は、映画版「からかい上手の高木さん」について、
などを中心に、ネタバレを含みながら作品の魅力を掘り下げていきます。
5月31日から映画版が全国の映画館で上映開始されている
2024年5月21日に放送されたドラマの最終話から10日後の5月31日より、2人の10年後を描いた映画「からかい上手の高木さん」が公開されています。
映画版の作品情報は以下の通りです。
《主な製作陣》
監督:今泉力哉
脚本:金沢知樹、萩森淳、今泉力哉
制作:ファインエンターテイメント
主題歌:Aimer / 「遥か」
《キャスト》
高木さん:永野芽郁
西片:高橋文哉
中井:鈴木仁
真野:平祐奈
浜口:前田旺志郎
北条:志田彩良
大関みき:白鳥玉季
町田涼:齋藤潤
田辺先生:江口洋介
《あらすじ》
高木さんのパリへの転校を機に、離れ離れになってしまった2人。
突然の別れから10年が経過し、西片は自身の出身校である島の中学校で体育教師として勤務していた。そんな中、教頭先生である田辺先生の勧めで近々やってくる教育実習生の指導係を西片が任されることになる。
そして教育実習生が初めて学校にやってくる日、西片の前に現れたのは10年前に島を去った高木さんだった。
一方その頃、西片が担任を務めるクラスではある男子生徒が不登校になってしまっており––––。
2人の中学時代を描いたドラマ版では西片くんを黒川想矢さん、高木さんを月島琉衣さんが務めていましたが、映画版ではその2人から永野芽郁さんと高橋文哉さんが引き継いでいます。
その他制作陣は殆ど変わっておらず、主題歌も継続してAimerさんが歌う「遥か」が起用されており、キャスト以外はほぼドラマ版と同じメンバーで作られた作品となりました。
映画版の見どころは?
2人の10年越しの再会を描いた映画版「からかい上手の高木さん」ですが、作中の見どころはどのような点なのでしょうか。
ここからはネタバレを含む、作中の見どころを3つ紹介します。
①不登校の町田と高木さんのふれあい
まず初めに紹介する見どころは、不登校の生徒である町田くんと教育実習生としてクラスに携わっている高木さんのふれあいです。
人間関係があまり得意ではなく1人で絵を描くことが好きな町田くんに対し、美術の授業を担当していた高木さんは「絵」をキッカケに少しずつ交流を図り始めます。
次第に打ち解けて、色々な話をしてくれるようになった町田くんは時折高木さんを揶揄うような言葉をかける一面もありました。
普段は西片くんを揶揄う高木さんが生徒から揶揄われている様子は、かなり新鮮でドラマ版では見られなかった一面なのではないでしょうか。
生徒と教師ではなく、あくまで友達の延長線上のような関係で聞き手に徹したり、時には強引に振り回す高木さんの大人な一面もとても魅力的です。
ある意味、西片くんの前では見せないような高木さんの側面が見られる貴重な場面だともいえます。
②西片くんと高木さんがそれぞれ恋愛の相談を受ける場面
町田くんが不登校になった理由に心当たりがある女子生徒の大関さんが、意を決して担任である西片くんに相談をします。
その一方で、不登校の町田くんもまた大関さんとの関係を高木さんに相談していました。
お互いが抱えている思いや、相手を気遣うばかりに発生していたすれ違いなどを、それぞれ高木さんと西片くんが聞き取り、別々の答えを出したのはかなり興味深い場面だったと思います。
それぞれ答えは違うものの、根底の部分が同じであるあたり、この時から言葉にしなくても高木さんと西片くんの価値観に共通するものがあったとも捉えられます。
そして最後に西片くんが言った、
「相手を思う気持ちをちゃんと伝えることは凄く素敵なことだと思う」
という言葉は、後々2人に訪れる場面への伏線になるセリフという見方もできるのではないでしょうか。
③最終盤の告白シーン
ドラマ版から続くこの物語の最大の見せ場となる最後の告白のシーンは、演出含めてかなりクオリティの高い場面でした。
お互いに10年越しに気持ちを伝え合って付き合うだけではなく、その思いに至るまでに感じたこと、自分の中で不透明なままになっていることを打ち明け合う場面はとてもリアルだったのではないでしょうか。
また、告白の場面でほとんどカメラを動かず、固定の場所から2人のを映し続ける演出も見事でしたね。
セリフもかなり長く、一歩間違えれば中弛みとなってしまう場面ですが、全く退屈さを感じさせなかったのはまさに演出と主演の2人の腕が光った証拠だともいえるでしょう。
完成度がとても高く、まさに実写版の最後に相応しい場面となっているので、ぜひ2人の演技や巧みな演出に注目して観てみてください!
視聴者の反応
最後に、映画版「からかい上手の高木さん」を観た視聴者の声を紹介します。
SNS上では、やはりドラマ版同様にとても綺麗で純粋な物語の作風を最後まで貫き通した点を評価する声が多かったですよね。
特に人それぞれが持つ繊細な内面や相手を思う優しい気持ちなど、どこまでも人の綺麗な感情を輝かせた点を評価する声が多いようです。
特別何か大きな事件が起こるわけでもありませんが、どこにでもありふれた日常を特別に仕立て、輝かせる作品としてはかなりクオリティが高い作品なのではないでしょうか。
まとめ
以上、今回は映画版「からかい上手の高木さん」について紹介しました。
本記事では見どころなどを中心に紹介しましたが、最後に内容をおさらいすると、
上記のようになります。
原作がとても人気の高い作品だっただけに、実写化の発表当時は意見が賛否両論に分かれていましたが、実際は実写化作品としてかなり完成度が高い作品となったのではないでしょうか。
また、単なる実写化だけではなく原作の良さを損なわずにオリジナルの展開を組み入れたのも良かったですよね。
原作ファンも未視聴の方でも、楽しめる作品になったのではないかと思います。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。